2000/10/11(水)〜10/12(木)ソロツーリング
番外編!独身最後のソロツーリング

TEXT KAZUKI KOBAYASHI
ジパングツーリング誌投稿予定レポート、緊急告知!


願ってもないチャンス!
 結婚を決め、おいらのアパートに転がり込んだ彼女(嫁?)が、ある日こう言った。「私もあと少しで結婚だから実家のお母さんが二人で旅行に行きたいんだって。ねえ、上高地なんだけど行ってきていいかなあ?」その瞬間、これは又と無いチャンスだ!と思った。というのも彼女も去年の6月に中型、今年の8月に何と小さな体で大型免許をこれまたストレートで取得してしまい、最近はツーリングと言えば必ず彼女が一緒。(しかも皆には内緒で花嫁道具の一つとしてドカティM900を買ってきたツワモノ)もちろん、2人で行くツーリングは楽しいし、良い思い出になっているんだけどソロツーリングのあのわくわく感も大好きで内心「ああ、もうソロツーリングなんてもう無理なんだなあ」と思っていたからなんです。そんなわけで1泊2日の短いツーリングですが、独身最後の思いで作りと、早速計画を立てたのでした。

目的地決定はやっぱジパツー!
 さて、どこに行こうか、さんざん迷ったあげく、神にすがる思いでジパツーを手にとるおいら、ぱっと開いた瞬間目に飛び込んできたのは12年6月号の真ん中、和歌山ラーメンのページでした。そうだ、せっかくだから本州の先っぽ、潮岬まで行って見よう。そして美味しいラーメンと新しい温泉をGETだ!かくして行き先は紀伊半島、目指すは潮岬。おいらは地図も持たず、(東海地区のマップはいっぱい持ってるんですが、紀伊半島周辺の地図はなぜかもっていないんですぅ)ジパツー1冊タンクバッグに忍ばせ、2000年10月11日朝7時15分、刈谷を出発したのでした。いよいよツーリングのはじまり〜。

と〜り〜あえず南へ南へ(勝手にメロディーを付けてお楽しみください)
 まず、渋滞の国道23号線を三重方面へ、朝の国道23号はほんと凄まじい渋滞で桑名で挫折。(なるべく下道で行こうと思ってたんですが。なんせ一人なもんですから・・)東名阪道亀山ICより更に南下。途中、安濃SAで休憩を取り、勢和多気ICへ。国道42号線で紀伊長島町を目指す。給油後タンクバッグをリアシートに乗せたまま2キロ程走って気づいたりと(ほんとびっくり!落ちなくて良かったぁ)若干のトラブルはあるものの順調に南下。紀伊長島町の港で遅めの朝食タイム。いつも2人でツーリングに行って困るのが食事。せっかく来たんだから「はずしたくない気持ち」が強く、散々迷ってドライブインみたいなところで食べることが多いんだけど、今回は一人だから気楽!迷わずコンビニのサンドイッチと肉まん(491円)で済ませたのです。(時間の節約にもなるしねぇ)早々に出発、さらに国道42号を快走、鬼ヶ城の看板につられるままに見学。ここは台風なんかの大波で岬の岩が侵食された美しい場所でとにかく絶景。結構おじいさんたちのバスツアーの観光名所っぽいイメージありますが一見の価値あり。ぜひ近くに行ったら立ち寄りたいスポットです。(自二駐車料金100円)


温泉マニアのKAZU、「名湯秘湯の経験値が2Pあがった!」 (ドラクエ風に)
 さて鬼ヶ城を後にし、第二の目的地、本宮町へ。国道311号をひた走りまずは川湯温泉へ。ここは掘れば川底からお湯の湧き出る名湯で、もちろん無料!混浴!!施設は何も無し!!!のまさにツーリングライダー向けの温泉です。11月からは川をせき止めてあの有名な仙人(千人)風呂が出現するのですが、あいにく仙人は現れず?それでも30人ぐらい入れる大きな湯船(というか岩で囲っただけ)で至福の混浴を堪能させて頂きました。(ちなみに女性は布一枚だけ着けていましたが)持参したちっこい三脚で自分の雄姿?を撮影後、次の目的地、湯の峰温泉へ、川湯温泉から10分ほど走り静かな山間の村に、ありました。夢にまで見た「つぼ湯」です。おいらは結構温泉好きで温泉ガイドを見ると欠かさずチェックを入れ一つ一つクリアーしていくのが趣味?なのですが、どのガイドブックにも、特に秘湯、名湯系のガイドの常連であるこのお湯入らずして「名湯秘湯が趣味」とは言えません。やっと念願の温泉なのです。さて、バイクを止めてつぼ湯の受け付けでもある湯の峰温泉公衆浴場へ。と、そこに衝撃のお知らせが!!「来たる10月10日より13日までつぼ湯改修工事のため休業いたします」えっ?今日は何日?慌てて時計を見ると・・そう、見事に的中なのです。え〜ん!悔しい!!と言っても仕方がない。この悔しさを公衆浴場へぶつけたのでした。とは言ってもさすが小栗判官ゆかりの歴史ある温泉。しかも貸切状態!これまた至福の時を過ごしたのでした。(料金200円)お風呂から上がり歩いてつぼ湯を見学に。どうやら朽ち果てそうになっている柱を立て替えて入るらしく真新しい柱が立っていました。なんか、歴史ある温泉とか、秘湯とかいうとやっぱ柱や壁が歴史を感じると思うんですが、真新しい柱を見ると複雑な気分です。でもその歴史ある名湯を維持していくためにやむを得ないんだと自分自身に言い聞かせ(だって歴史ある建造物だっていつか修復されて更に新しい歴史を刻み込んでいくんですから)でもできれば古い柱のつぼ湯に入りたかった・・・(未練たらたら)そんなわけでつぼ湯は入れませんでしたが、一応満足。いよいよ念願の本州最南端へと向かいます。


さあいざ行かん!本州最南端!
 本宮町を出発、国道168号の快走路をひた走り再び国道42号線へ。和歌山の国道はどこも整備されててホント、ツーリングには最高!でもスピードは控え目に。すれ違うバイカー(といっても平日なのであまりいないんですが)とピースサインをかわし(私はピースサインオタクでもあります)一路、串本町へ。海岸線を海を見ながらのんびり走っていると、ジパツーにも掲載の串本の名勝地、橋杭岩を発見!そこはまさに神秘の世界。思わずコーナーの途中(しかもバスとかもビュンビュン通る国道沿い)にバイクを止め、記念撮影(おいらはその時は知らなかったんですが、その先にちゃんとした駐車場があります)夕日にほんのり赤く染まる橋杭岩は「Welcome to 本州最南端」と最高のお出迎え!日のあるうちに最南端へ向かうぞ!とさらに走り串本大橋へ。ここでチョッとした勘違い。潮岬は橋を渡らずに直進なんですがおいらはろくに地図も見ず、「潮岬に行ける近道なのね」と勝手に思い込み橋を渡ってしまい、いくら走っても潮岬が見つからない。あせって地図を見るけど思い込んでる時は見えないんですねえ。仕方なく来た道を引き返し夕日と記念撮影。そしてあえなく日没。"カァ〜ン"(効果音として鐘の鳴る音を頭の中で鳴らしてください。より一層筆者の気持ちが味わえます)こうして本州最南端は明日の朝の楽しみに変わったのでした。その日は旅館案内で安ホテル(といっても料理は本格的の7000円ぽっきり)を取り一人で寂しいビール(600円×2)&夕食後、近くの超ゴーカな浦島系温泉ホテルの温泉に浸りつつ一日目は幕を閉じたのでした。(本日の走行距離398km使ったお金、交通費3848円、ホテル食事など10191円)

神秘の橋杭岩と潮岬
 翌朝5時30分に起床。とりあえず6時の日の出にあわせ橋杭岩駐車場へ。そう、朝焼けの橋杭岩を撮りたかったのです。当日は快晴、日頃の善い行い?が功を奏し、雲一つ無い秋晴れで幻想的な日の出が見られた。さて、朝食の7時迄一時間弱、昨日の夕方行けなかった本州最南端、潮岬へと向かう。潮岬では灯台を見学(見学時間は朝8時か9時位からですが見学料150円を受付に置いて勝手に入って見学させていただきました。ゴメンナサイ)その後、お決まりの本州最南端の碑前で記念撮影(朝から一人でセルフタイマーでガッツポーズを撮るのは虚しい)展望台を眺めて(展望台を眺めても意味ありません)一旦ホテルに帰り朝食、朝7時30分に次なる目的地、白浜へGO!国道42号線を北上途中、恋人岬の看板に目が止まり休憩。愛知県伊良湖岬にも恋人岬という岬があるんだけど、どこにもあるんですねえ。ぼーっと海を見つめていると案の定、車に乗ったカップルが訪れていました。(いいねえ、青春だね!)

南紀白浜、よぉ〜いぃ〜ところぉ〜(コブシを回して歌ってください)温泉名所めぐり
 さて、さらに北上、白浜町に入り、まずは白浜の駅へ。(というか道がわからず、地図を求めて駅へ行ったのですが)売店を物色していると隣の弁当屋のおじさんが「地図探しとるのかね?駅の窓口で観光マップ貰ってきたら説明してあげる」と親切に声を掛けていただき甘えることに。おじさんにしっかり道順を聞き、崎の湯へ向かう。そう、ジパツーにも掲載の海を眺めながら入れる露天風呂です。ココは日本書紀にも書かれている由緒ある温泉で湯の崎温泉同様、お湯は肌がツルツルするホントいいお湯です。温泉好きのおいらとしては信州の温泉とか良く行くんだけど和歌山の温泉はどこも大当たり!オススメします和歌山の温泉!  さて潮風香る温泉を後にし、白浜へ来たらココというポイントへ。千畳敷と三段壁へ。崎の湯から数分、バイクを止めてまずは千畳敷へ。段々畑にも見える白い岩盤を見学しお隣の三段壁へ。三段壁には洞窟もありエレベーターで降り、見学ができるんだけど1600円もかかるのでパス。(でもガイドのお姉さんは美人揃いでした)断崖絶壁の景色はホント自殺したくなる凄さで下を見るのにも腰が引ける。(実際自殺者が多いらしい。命の電話の看板もあるしね。気になる方は行って見てください)しかも手摺りとかも無いもんだからほんと怖いっす。自然の作り出す造形美に感動しつつ出発。国道42号線に戻り田辺市内、県道29号へ右折、国道371号より龍神温泉へをめざす。


ツーリングのフィナーレは温泉&吊橋で・・・
 龍神温泉(料金600円)は日本三美人の湯で有名な温泉で、ひなびた雰囲気を期待していたんだけどあまりにも施設がしっかりしていて少しがっかり。(これも時代の流れか?)それでもお湯は全国レベルのツルツルの湯で思わず露天風呂で記念撮影をしてしまう始末(しかしお風呂で一人で三脚とカメラでセルフタイマーで写真を撮るには少し勇気が必要!)これで名湯秘湯経験値がさらに2Pあがった(再びドラクエ風に)その後ドライブインでルートを確認しながらご飯を食べていると売店のおねえちゃんが「どこ行くの?」と尋ねて来るので「谷瀬の吊橋」と答えると「地図だと国道425号線が近く見えるけど狭いし先月、一人死んでるから311号本宮町を通って北上した方が賢明だよ」とのアドバイス。「えっ一人死んでるんですか」と聞き返すとどうやらその通りらしい。ジパツーで確認すると確かに「全線舗装だがタフなルート」。うーんどうしよう・・・だけど40キロぐらいの山道だから安全にのんびり走ればいいやと、安易な考え。実際走り出して30分くらいして少し後悔。ほんと、寂しくてあんまり車来ないし。まだ昼過ぎだからいいけど夕方、暗くなり出したら怖いっす。しかも途中工事規制で30分程待たされて。結局2時間近くかかって国道168号へ出たときは思わずバンザーイ!国道168号は十津川沿いを走る高速ワインディングロードでさっきまでの鬱憤もあり思わず攻めまくる。(ステップずりずりよ〜ん)程よくワインディングを攻めているとありました「谷瀬の吊橋」ここはかつて日本一の吊橋だったので日本一の看板が目に付くけど、記録としては日本一じゃ無いけどスケールはホント日本一でもあげたいくらい。しかも地元の原付きとかも走ったりしてなんとも風情のある趣です。こちらもオススメポイント!

かえってきたよ〜ん
 いよいよツーリングも終わりに近づき、帰りのルートへ。国道168号を北上五條市内国道24号の夕方渋滞を経て国道165号(ここでは突然の土砂降り雨!コンビニでしばし雨宿り)〜369号から西名阪道、東名阪道亀山から名古屋方面へ名古屋高速を通り、夜10時に刈谷到着!かくして独身最後のソロツーリングは幕を閉じたのでした。あちらこちらで声を掛けていただいたおじさんやドライブインのおねえちゃん、一緒にお風呂に入ってくれた川湯温泉のおねえちゃんなど多くの出逢いがあった思い出深いツーリングとなりました。でもやっぱ一人もいいけど奥さんと(なんと本日入籍!10/21)2台で行くツーリングもヤッパいいもんですね。 今度は二人でまた来たいっす。(本日の走行距離503km、交通費5330円、食事、温泉2463円)